ワンマン撮影とピント合わせ

カメラが簡単に買える今、何から何まで一人で用意する事がとにかく多くなりました。低予算の撮影ではまともにカメラアシスタントをつける事もできません。いろいろな事に注意を払いながら、更にピント合わせまで自分でしなきゃいけないというこのストレス地獄。そんなワンマンオペレーションが少しでも楽になるような設計のフォローフォーカスがいくつか出てきてます。

—へんてこフォローフォーカス—

Zacuto Z-Drive

従来のフォローフォーカスがカメラアシスタント必須の設計なのに対して、Z-Driveは一人で回す事を考えて作られています。自然な位置にホイールが来るので、操作が幾分か楽になるようです。オプションで装着できるまきぐそみたいな形のグリップで、操作が更に安定するそうです。その他にもいろいろなスタイルで撮影できる様子が上のビデオで紹介されています。

Edelklone FOCUSPLUS

毎度変なリグを世に送り出すEdelkloneの提案。こちらもZacutoとコンセプトは同じで、自然な位置からフォーカスを変えられるのが売りです。マーカーには可動の印が入っているのでペンで書き込む必要がありません(ワンマンオペレーションでそんな正確なマーキングが必要なのかは謎)

—ワイヤレスなフォローフォーカス—

Redrock Micro microRemote

インディーフィルムメイキングの老舗が比較的良心的価格で販売するワイヤレスシステム。Fingerwheelというアクセサリーを使えば、指元でフォーカスをコントロールできるようになります。

—まさかのオートフォーカス—

キヤノンが70Dに搭載したデュアルピクセルCMOSというテクノロジー。コントラストAFとは明らかに違う自然で滑らかな追従性が特徴です。

その機能が2014年にはシネマカメラのC100にも搭載されるという事らしく、もう簡単な現場ではフォローフォーカスを持ち歩く必要はなくなるかもしれません。

オートフォーカスに頼ったら終わりだと思っていたのですが、表現の幅を広げてくれるのであれば使わない手はありません。一人でステディカムを多用する撮影でのフォーカスの心配もなくなります。とにかくカメラを持って振り回す映画作りの原点に戻れるなら、こういうのを有効活用しちゃってもいいのかもしれませんね。

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BMCCを長期間使ってみて

BMCC2

この夏長期に渡ってBlackmagic Cinema Cameraを使う機会があったので、とりあえず思ったことをざっと書いてみたいと思います。

ではまず良い点から-

RAW:とにかく情報の多さが素晴らしい。色温度も後から調節でき、若干白飛びした部分もResolveなどで3ストップまでは復旧可能です。

意外と持つ電池:消費電力はREDなどよりも格段に低い。Switronixの外部電池を装着してましたが、1日のプロダクションで電池が空になったことはありませんでした。こまめに消せるのであれば、そんなに電池を携帯する必要はなさそうです。

エラーが起きない:予期せぬエラーや強制終了は約2ヶ月間の撮影で一度も発生せず。意外な安定性でした。

さて、そして悪い点-

RAW:とにかく重い。1分で約7GBもの容量を消費します。保存用ハードディスクをどんどん買い足すか、ProResで撮影する事になります。RAIDを組んでいないハードディスクではリアルタイムでの再生は非常に困難です。

形:なんでこんな持ちにくい形にしたのか。

微妙に狭いセンサー:2.4倍のクロップセンサーなので絵が寄ってしまい、今までのノリでレンズを選べず慌てる事が幾度も。広角ショットが欲しければ10mm級の広いレンズを用意しておかねばなりません。

モアレ:いや一眼レフに比べれば100倍マシなんですがね。でも、やはり出ますモアレ。きめ細かい布や遠くの建物など、とにかく気をつけないと鮮やかな虹色がビビーンと出現します。

屋外での撮影時の画面の見づらさ:グレア液晶画面がドカーンと付いているので、付属のサンシェードごときでは太陽の明るさを避けることはできません。タッチスクリーンなので完全に覆ってしまうと今度は色温度やISOのコントロールができなくなります。ヒストグラムも無いので、見た目で合わせて後々確認した時の絶望感は半端ないです。EVFやモニターを用意することをお薦めします。

SDIでの出力時のlog強制表示:撮影ファイルがlogでも、撮影中の画面内をビデオガンマで表示することができて非常に便利なのですが、SDIで出力される映像はlogのみ。モニター側の色調節でなんとか頑張っても、カメラマンと監督が見ている映像は全く色味の違うものになってしまいます。

電池残量のわかりづらさ:100%、75%、50%、25%、10%の5段階というなんともアバウトな残量表示。2001年のiPodを思い起こしますね。

限られたSSDのチョイス:一コマ5メガバイト、とにかく高い転送能力を持ったSSDでなければすぐにエラーでコマ落ちが始まります。(コマ落ちが始まると画面中の赤いREC表示が点滅し、エラーが起きていることを教えてくれます)推奨SSDリストに載っているインテル製やSanDisk製の物は問題なく使えましたが、東芝製のでオーバーヒート。日本頑張れ。

記録スペース残量の無表記:あとどれくらいSSDの残量があるのか、教えてくれません。120GBのSSDで15分程度、240GBで30分程度の撮影が出来ます。プレイバック時に大体何分撮ったかは確認出来るので、それをメディア交換の目安にします。(追記:ファームウェアアップデートで対応済み)

ファイル削除及びフォーマット機能の未搭載:これは実際あったらあったで間違ってファイルを消してしまってあーーーっ!ってなっちゃうと思うので、まあ無くてもいいかなと思いました。ただDITがいない現場ではとにかくカメラマンがつらい思いをします。(追記:フォーマットに関してはファームウェアアップデートで対応済み)

思いついたのはこんなもんでしょうか?これが知りたいのに!など質問ありましたら出来る範囲でお答えしますね。