アナモルフィックレンズ用必須アイテム

みんな大好きアナモルフィックレンズ。その短所であるピント合わせの複雑さは以前の記事にも書きました。eBayなどで手に入る古いアナモルフィックレンズは、既存の写真レンズの手前に装着するタイプが主流で、ややこしいことにアナモルフィックレンズ側と既存レンズ側の二つのフォーカスリングを合わせないと絵がボケてしまいます。そしてなによりピント送りが不可能になってしまうので、動く被写体を追うことが出来ませんでした。しかしなんとその問題を解決してしまう救世主が現れました。その名も「Rangefinder」。

とりあえず断言しましょう、必須アイテムです。

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格安レンズやアナモルフィックアダプターを新造するSLR Magicの製品で、こいつをアナモルフィックレンズの手前に装着すると、一つのフォーカスリングだけでピント合わせが可能になるという、魔法のような可変焦点ディオプターです。

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使い方は非常に簡単です。アナモルフィックレンズと普通の写真レンズの両側を無限遠に設定するだけで、ピント合わせは全てRangefinder側のリングで行います。最短距離は1m。

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高級版はフォーカスのマーキングが印字されている

Adoramaでは599ドルで販売されていて、受注生産なのか知りませんが届くのに1ヶ月以上かかりました。ちなみに高級版と廉価版の2種類があります。廉価版はフォーカス距離が印字されてなく微調整がされてないそうですが、300ドル安くなります。

早速装着。77mmのスクリュー式で、フィルターの様にレンズにねじ込みます。自分のBolexは口径が62mmなので、ステップアップリングで対応しました。

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リグに組み込める日が来るとは思っても見なかった

写真レンズ、アナモルフィックレンズ、Rangefinderと3つのレンズを重ねた状態なのでちょっと心配だったのですが、ボケ足も特に変わりなく、質感は保たれたままです。シャープさも特に変わりありません。

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上記の画像全てRangefinder側でピントを合わせています。何も考えずに撮影できるこの快感、今までの苦労はなんだったんでしょう。高コントラストの被写体で若干フリンジが出ることもありますが許容範囲でしょう。ギアは滑らかに動き、シネレンズ並のストロークがあるので、細かいコントロールが可能です。

かなり適当なテストですが、一応映像も載せておきます。

欲を言えばフォーカス最短距離があと数十センチ近ければなお良かった。一番ダメなのは、フォーカスリングが一番前にある事。ピントをいじるとフィルターも一緒に回ってしまうので、例えば偏光フィルターなんかは使えません。(注意書きにもその旨が記されています)そして若干前後に動くので、マットボックスを使う際に干渉してしまいそうです。

とまあ欠点を並べてはみたものの、Rangefinderの魅力が削がれることは一切ありません。棚の奥に閉まっておいたアナモルフィックレンズの埃、是非払ってみてください。

ちなみにRectiluxという同じコンセプトのアダプターも登場していますが、そっちは結構レンズのネジを外したり合体させたりと改造が求められます。光学系の品質はRectiluxのほうが良いらしいので、手軽さを求めるならRangefinder、しっかり感が欲しければRectiluxと言った具合でしょうか。(追記:Rectilux Core DNAと言う製品も発表され、そちらはRangefinderとほぼ同じデザインです)

RX10 Mark II

これ一台で映画撮れちゃうよ!っていう、GH2以来の衝撃カメラの登場です。

「RX10 Mark II」

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結構良い絵が撮れるって話は聞いていたものの、立ち位置の分からないデザインだなーくらいにしか思ってなかった初代RX10の登場から1年半、今回発表されたMark IIはかなり野心的に攻めて来てます。コーデックはXAVC Sを選択でき、高めのビットレートで記録ができます。そしてピクチャプロファイルにはS-log2の搭載。120p記録、4K記録、最高1000fpsでのスロー機能など、とりあえずぶち込めるものはぶち込んでみたスペック。このカメラ1台で何でも出来ちゃいそうです。これコンシューマ機ですよね?

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絞りリングも付いている。ちなみに無断階にできる。

台湾に行く用事があったので急遽近所のカメラ屋でゲット。2015年9月の時点では1300ドル。

1週間ほど使ってみた感想ですが、これはかなりキテます。24-200mmで全域f2.8のレンズはとにかく便利で、寄りたいと思ったものに躊躇なく寄れる。描写も悪くないので、レンズ一体型カメラであることのデメリットはあまり感じられません。ダイナミックレンジはBMCCには及ばないものの、かなり広い幅を保ってくれます。黒に若干ノイズが乗るのが気になりますが、粒子状なので自然な雰囲気です。1ストップ明るめに撮影してポストで引き締めれば問題ないと感じました。

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ローリングシャッターも頑張って抑えられている印象で、余程のことがなければ気にせずカメラを振り回せます。ティルト可能な画面はローアングルでかなり重宝します。

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地味に助かるティルト液晶

フォーカスリングは結構がっかり。Eマウントレンズでも感じた事なのですが、ピント合わせに癖があるみたいでどうも直感的にピシっと合わせられません。速く回すと行き過ぎてしまい、遅く回すとジリジリと慎重過ぎる動きでなかなか合わせたいところに持ってけません。手ぶれ補正もキヤノンのEFレンズなどに比べるとあんまり効いてない感じがします。ズームはシャッターボタンのそばにあるレバーで操作するのですが、若干遅い。そしてズーム中にピントが一瞬ずれたりするので、ゆっくり寄っていくとかそういう表現には使えません。写真レンズなので仕方ないのでしょうが、ちょっと残念です。でも欠点はこのくらいでしょうか。

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テレ側だとこんなに長くなる

SDカードは、XAVCで撮影する場合はSDXCタイプでU3を用意してください。遅いカードを挿すと警告が出て使えません。自分はSanDiskのExtreme Proを使ってみましたが、特に問題はありませんでした。

長々と書きましたが、とりあえず撮ってきたものを簡単に繋いでみたので良ければ御覧ください。Vimeoサイトに行けば4Kファイルをダウンロードできます。ちなみに今回の撮影は4K収録に絞ったので、スロー撮影はまだ全然試せてません。。

シネレンズに挑戦する新参企業たち

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少し前までは映画に使うレンズといえば大体がCookeやZeissと言った大御所でした。しかしここ最近のデジタルシネマ革命で選択肢は増え、手軽に扱える写真レンズを使った制作が当たり前になりました。今まで聞いたことのなかった韓国や香港の企業が格安で面白いレンズを作り始めて、それに目を付けたクリエイターたちが作品に投入します。

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韓国のSamyangがRokinonブランドで欧米に挑んだのは、キヤノンやニコンのそれよりも割安なマニュアル単焦点レンズ、そしてギア付き”なんちゃってシネレンズ“。瞬く間にインディー現場に浸透します。香港のSLR Magicも絞り値f0.95を謳った格安レンズで知名度を上げていきます。

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SLR Magicのめっちゃ明るいレンズ

Samyangなんか当初は3つのブランド名を使い混乱を招く怪しすぎる企業だと思っていたのですが、いつの間にかレンズ選びの選択肢に入るほどに。SLR Magicもアナモルフィック関係の商品で勝負をかけ、いつの間にかある程度の人が認知するメーカーになりました。

しかしここまで盛り上がったものの、やはり写真レンズを使うことは一応邪道であり、現場でのネックになることに変わりありません。フィルター径や胴体の大きさがレンズによって違うので、毎回マットボックスやフォローフォーカスの位置、三脚のバランスを調節し直さなければならず、足手まといになります。

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さて、2010年にZeissが写真レンズをシネレンズ的ハウジングに積み替えたCompact Primeシリーズを発表し、その問題点を解決します。追ってキヤノンも同じコンセプトのシネレンズを投入。そこにSchneiderのXenonも加わるなどして賑やかになります。しかし安く買えるシネレンズとはいえ自称映像作家にとってはまだまだ高嶺の花、手の届きそうで届かない微妙な価格にストレス。

そんな中、去年暮れから今年にかけてちょっと楽しいムーブメントが起き始めます。各社の本格的なシネレンズ市場への参戦です。

Veydra

Veydra

初めてマイクロフォーサーズマウント用に設計されたシネレンズとしてKickstarterで資金を募り、話題となりました。リハウジングで有名なDuclos Lensesさんが関係してるみたいですね。堅牢な金属ボディーとコンパクトさが物欲をそそります。6つのレンズを揃えれば映画撮影に必要な画角をほぼカバーできます。そして価格はなんと1本899ドル!(最ワイドの12mmは1199ドル)かなりお手頃です。

Xeen

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Rokinonから突如発表されたシネレンズ。Compact Primeを意識したデザインで、コンセプトも同じく写真レンズを新ボディにリハウジングしたもの。フルフレームのセンサーにも対応しています。レンズ群は既存のものと同じですが、コーティングの方法を新しくして高画質化を図ったそうです。価格は一本2500ドル。ちょっと高めですが、競合製品が4000~5000ドル台なので、約半分ほどの値段で揃えることができます。今のところ24、50、85mmだけのラインナップですが、徐々に増やしていく予定とのこと。

「SLR Magic Anamorphic Lens」

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SLR Magicが勇気を出して2xアナモルフィックレンズと、16:9画角で良い感じのアスペクト比になる1.33xアナモルフィックレンズを同時に発表。GH4が4:3収録に対応したことで、そこを狙ってきた感じですね。すでに同社が販売しているアナモーフォットとレンジファインダー、そしてレンズを一体化させた感じのデザインです。値段は2500ドルから3000ドルを予定しているそうです。デモ映像はまだ無いようなので、インタビューを乗っけておきます。

Celere HS

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撮影監督が自ら自分にとってパーフェクトなレンズを作ろうと考えて立ち上げたらしいこのプロジェクト。ライカのボケ足、クックレンズのコントラストなど、様々なレンズメーカーの特性を一つのレンズにぶち込んでみたそう。特筆すべきはそのレンズの重さ。全てのレンズが同じ重量になるように設計されているので、ステディカムやギンバルを使う場合にレンズ交換をしてもバランスを取り直す必要が無くなるとか。まあそんなこと言ってどうせ微調整はしなきゃいけないのでしょうが、それでもかなりの時間短縮にはなります。この時代に新しくレンズ群を設計する理由として結構大事なポイントの一つになると思います。一本3000ドルほどになる予定です。

このように、仕事で使えそうなシネレンズを破産しない値段で個人が手に入れられる、もう夢の様な事態です。そして何とも悲しいことに、この市場はもう完全に海外組の縄張りになってしまった感じです。シグマとかが何か出してくれれば、ちょっと割高でも買うと思うんですけどね。日本企業がこのマーケットに価値を見いだせないでいる間に、僕もプライドを捨てて韓国のレンズを買ってしまいそうです。