LEDフレネル照明

時代はなんといってもLED。利点はなんといっても省エネ、そしてなんといっても発熱の少なさ。ただ今たくさん出回っているのは、豆粒みたいなLED電球がずらーと並んだ四角いタイプの物ばかりです。

ARRIもMoleもフレネル型のLED照明を出しているのですが、何しろ高い。ということで毎度ながらパチもんを探してみたところ、As Arriとかいうフレネルタングステン照明を作っているのと同じ(であろう)会社からLEDタイプのものも出ているではありませんか。

単純なデイライトタイプであれば20W50W100Wから選べます。口径的にはARRIタングステンの150W、300W、そして650Wに準ずる様です。

一番高くても300ドル。Moleの100Wが1200ドルなので、同じ値段で4つ買えちゃいます。さらに出品者のページに行くと2つセットとか3つセットで若干安く売ってたりします。

50WLEDs

ということで100Wを1つと50Wを3つ買ってみました。発送は中国の広州からで、2週間かかるはずがたったの3日でカリフォルニアに。恐るべし。

手に取ったひとつがカラカラ言ったので、蓋を開けて振ってみたところネジが一本落ちてきました。悩んでてもしょうがないのでとりあえず電源を入れます。

100WLED

明るい。そして熱もほとんど持たないのはさすがLED。ディミングも本体でできるのはかなり便利です。

LEDKnob
本体のディマーで明るさが調節できる

色味ですが、若干の個体差があるもののとんでもない誤差ではなく、薄ーい色補正フィルタがあれば簡単に対処できるレベルです。色の再現度もCRI85と言うだけあってそこまで悪くない。キノなんかと混ぜて使っても気になりません。

フレネル照明らしくスポット・フラッド間を自由に調節できますが、ちょっと物足りない。公式(らしい)表では12°から55°となってますが、実際はそれより狭い感じです。ノブの作りもちょっと適当なので、壊れないかヒヤヒヤ。

結構ぐらぐらな作りのノブ
結構ぐらぐらな作りのノブ

そして投射した光のエッジなんですが、若干黄色味がかってしまう感じです。気になりますが、安いので仕方ない。普通に使う分にはほぼ気にならないはずです。

led_yellow_edge
個体にもよるが、この場合左端が黄色味がかっているように感じる

考えても見なかった事でひとつ驚いたのが、フリッカーフリーということ。シャッタースピードで気を使うことはなく、そして240fpsのスローで撮っても全く点滅しません。これはちょっと得した気分です。

最初は個人的な短編映画にでも使えればいいか的なノリだったのですが、大きなクライアントの撮影でライトが不足していた事もあってこっそり参加させ始めたところ、かなり重宝する羽目になってしまいました。家庭用電源に3つ4つ挿してもブレーカーの心配を一切しなくて良いのはもう半端なく気持ちいい。

50Wonset

ちょっと乱暴な毎日の運搬にも今のところは耐えてるので、意外と頑丈なのかも。ちなみに落ちてきたネジの正体は未だにわかっていません。

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ワンマン撮影とピント合わせ

カメラが簡単に買える今、何から何まで一人で用意する事がとにかく多くなりました。低予算の撮影ではまともにカメラアシスタントをつける事もできません。いろいろな事に注意を払いながら、更にピント合わせまで自分でしなきゃいけないというこのストレス地獄。そんなワンマンオペレーションが少しでも楽になるような設計のフォローフォーカスがいくつか出てきてます。

—へんてこフォローフォーカス—

Zacuto Z-Drive

従来のフォローフォーカスがカメラアシスタント必須の設計なのに対して、Z-Driveは一人で回す事を考えて作られています。自然な位置にホイールが来るので、操作が幾分か楽になるようです。オプションで装着できるまきぐそみたいな形のグリップで、操作が更に安定するそうです。その他にもいろいろなスタイルで撮影できる様子が上のビデオで紹介されています。

Edelklone FOCUSPLUS

毎度変なリグを世に送り出すEdelkloneの提案。こちらもZacutoとコンセプトは同じで、自然な位置からフォーカスを変えられるのが売りです。マーカーには可動の印が入っているのでペンで書き込む必要がありません(ワンマンオペレーションでそんな正確なマーキングが必要なのかは謎)

—ワイヤレスなフォローフォーカス—

Redrock Micro microRemote

インディーフィルムメイキングの老舗が比較的良心的価格で販売するワイヤレスシステム。Fingerwheelというアクセサリーを使えば、指元でフォーカスをコントロールできるようになります。

—まさかのオートフォーカス—

キヤノンが70Dに搭載したデュアルピクセルCMOSというテクノロジー。コントラストAFとは明らかに違う自然で滑らかな追従性が特徴です。

その機能が2014年にはシネマカメラのC100にも搭載されるという事らしく、もう簡単な現場ではフォローフォーカスを持ち歩く必要はなくなるかもしれません。

オートフォーカスに頼ったら終わりだと思っていたのですが、表現の幅を広げてくれるのであれば使わない手はありません。一人でステディカムを多用する撮影でのフォーカスの心配もなくなります。とにかくカメラを持って振り回す映画作りの原点に戻れるなら、こういうのを有効活用しちゃってもいいのかもしれませんね。

BMCCを長期間使ってみて

BMCC2

この夏長期に渡ってBlackmagic Cinema Cameraを使う機会があったので、とりあえず思ったことをざっと書いてみたいと思います。

ではまず良い点から-

RAW:とにかく情報の多さが素晴らしい。色温度も後から調節でき、若干白飛びした部分もResolveなどで3ストップまでは復旧可能です。

意外と持つ電池:消費電力はREDなどよりも格段に低い。Switronixの外部電池を装着してましたが、1日のプロダクションで電池が空になったことはありませんでした。こまめに消せるのであれば、そんなに電池を携帯する必要はなさそうです。

エラーが起きない:予期せぬエラーや強制終了は約2ヶ月間の撮影で一度も発生せず。意外な安定性でした。

さて、そして悪い点-

RAW:とにかく重い。1分で約7GBもの容量を消費します。保存用ハードディスクをどんどん買い足すか、ProResで撮影する事になります。RAIDを組んでいないハードディスクではリアルタイムでの再生は非常に困難です。

形:なんでこんな持ちにくい形にしたのか。

微妙に狭いセンサー:2.4倍のクロップセンサーなので絵が寄ってしまい、今までのノリでレンズを選べず慌てる事が幾度も。広角ショットが欲しければ10mm級の広いレンズを用意しておかねばなりません。

モアレ:いや一眼レフに比べれば100倍マシなんですがね。でも、やはり出ますモアレ。きめ細かい布や遠くの建物など、とにかく気をつけないと鮮やかな虹色がビビーンと出現します。

屋外での撮影時の画面の見づらさ:グレア液晶画面がドカーンと付いているので、付属のサンシェードごときでは太陽の明るさを避けることはできません。タッチスクリーンなので完全に覆ってしまうと今度は色温度やISOのコントロールができなくなります。ヒストグラムも無いので、見た目で合わせて後々確認した時の絶望感は半端ないです。EVFやモニターを用意することをお薦めします。

SDIでの出力時のlog強制表示:撮影ファイルがlogでも、撮影中の画面内をビデオガンマで表示することができて非常に便利なのですが、SDIで出力される映像はlogのみ。モニター側の色調節でなんとか頑張っても、カメラマンと監督が見ている映像は全く色味の違うものになってしまいます。

電池残量のわかりづらさ:100%、75%、50%、25%、10%の5段階というなんともアバウトな残量表示。2001年のiPodを思い起こしますね。

限られたSSDのチョイス:一コマ5メガバイト、とにかく高い転送能力を持ったSSDでなければすぐにエラーでコマ落ちが始まります。(コマ落ちが始まると画面中の赤いREC表示が点滅し、エラーが起きていることを教えてくれます)推奨SSDリストに載っているインテル製やSanDisk製の物は問題なく使えましたが、東芝製のでオーバーヒート。日本頑張れ。

記録スペース残量の無表記:あとどれくらいSSDの残量があるのか、教えてくれません。120GBのSSDで15分程度、240GBで30分程度の撮影が出来ます。プレイバック時に大体何分撮ったかは確認出来るので、それをメディア交換の目安にします。(追記:ファームウェアアップデートで対応済み)

ファイル削除及びフォーマット機能の未搭載:これは実際あったらあったで間違ってファイルを消してしまってあーーーっ!ってなっちゃうと思うので、まあ無くてもいいかなと思いました。ただDITがいない現場ではとにかくカメラマンがつらい思いをします。(追記:フォーマットに関してはファームウェアアップデートで対応済み)

思いついたのはこんなもんでしょうか?これが知りたいのに!など質問ありましたら出来る範囲でお答えしますね。

可変NDフィルター付きマウントアダプター

ちょっと遅めのニュースですが。。

こういうのがあったら良いのになーってずっと思っていたのを具現化した、夢の様なものが出ました。

(前半は映像デモ、1:50あたりから説明あり)

フランジバックの短いマイクロフォーサーズやソニーのEマウントで従来のレンズを装着する場合はマウントアダプターを利用しますが、レンズと筐体の間に結構な距離の隙間が出来ます。その部分に可変NDフィルターを入れ込んでしまおうと言うアイデア商品です。

FS100などは高感度が売りですが、外の撮影などでは絞ってシャッタースピードをものすごく上げなければいけないなど、結構苦労します。このアダプターがあれば、余計なNDフィルターを何枚も持ち運ばなくて済む様になる感じですね。ND機能を使いたくない場合はレバーひとつで退けられる、親切な設計になってます。

ちょっとした問題点ですが、EFマウントでマニュアル操作のみなので、キヤノンレンズは露出を変えるのに別途キヤノンカメラを用意しなければなりません。また、レンズとセンサーの間に光学的な物が一枚入るので、フランジバックが変わってしまいます。焦点を変えるとピントの位置がずれるので、ズームを使った表現はできなくなります。無限遠は出るそうなので、焦点を固定しての撮影では問題ないはずです。

作っているのはHolyMantaと言うスウェーデンのグループで、発明は普段バイオテクノロジー関係でエンジニアリングをされているThomas Lärängさんと言う方。ビデオ撮影が趣味だそうで、それが高じて今回このアダプターを作るに至ったそうです。

現在は出資を募っている状態で、売り出されれば$280ドルほどの値段になるようです。品質がどんな物なのかは今の所分からないですが、テスト映像を見た感じでは悪くなさそうですね。発売がとても楽しみです。(追記 $315で発売開始されたようです)

 

PHILIPS hue

ARRIが少し前に出したLEDを用いたフレネル型のライトがあります。カラーフィルタを使わずに本体内で色を変えられると言う夢の様な話!買いたいとは思ったものの、もちろん個人で買える値段であるはずも無く撃沈。

で、ネットで発見したのがこのhueと言う電球。どうやら今の所アップルストア限定で販売しているようで、200ドルで色を自在に操れるとか言う夢の様な話!これはちょっと映像制作に使えるんじゃないかと思ったので、テスト映像を作ってみました。

シャッタースピードの同期とか、緑が緑っぽくないとか、青が極端に暗くなるとか、いろいろ問題点はあります。でも、気をつければ普通に使える感じ。人手が足りない低予算の現場で、手元で照明の色を変えられちゃうのはかなり便利です。今のところ日本では販売してないみたいですが、それも時間の問題では無いでしょうか?

Raw記録の利点と難点

blackmagic

Blackmagic Designが投入したシネマカメラ、徐々に人々の元に届いているようです。

最初にシネマカメラのセンサーサイズを聞いたときは「は?」でしたが、次第に増えて行く映像のデモを見れば見るほど、ダイナミックレンジの重要性が感じられる様になります。

さてこのダイナミックレンジはシネマカメラの13ストップという諧調表現から得られるものですが、さらにこのカメラの特徴の一つとして、12bitのRaw記録があります。一眼レフのRawをいじった事のある方にはピンと来ると思いますが、映像の世界でもARRIやREDのお高いカメラなんかで使われてます。それに近いものが30万円台で手に入るという事です。

でこのRaw記録の何が凄いか、このビデオをご覧下さい。

この中で説明されているキーポイントが、Available Dynamic Range(利用可能なダイナミックレンジ)です。

一色に付き4096段階の情報を有する12bitは、8bitの256段階を遥かに凌ぐものです。撮影時には失われたかの様に思われた白トビなどを、後からある程度復元する事が可能なのです。

まずこの画像をご覧下さい。

raw1

太陽光が橋桁を照らして、そこは白く飛んでしまっています。この画像の明度をただ単にそのまま下げてみると、下の様な大変使い物にならない絵になります。

raw2

ではこのRawファイルをAdobeのRaw Readerを使って露出を下げてみると…

raw3

おお!空の青は蘇り、橋桁のコンクリートの模様もしっかりと戻りました。そこからパラメータをいろいろといじくり回して影の部分もよく見える様にすると…

raw4

こんな具合で、色情報の復元にものすごく強いRaw。ビデオカメラやDSLR撮影では絶対にあり得なかった補正や表現が可能になります。

じゃあ手放しで万々歳かと言うと、やっぱりそうでもない。まずこのシネマカメラのRaw、1枚につき5MBと言うサイズになります。つまり1秒で120MB、1分の映像で約7GBと言う、とてつもないサイズになってしまうのです。もちろんそんな重さだから編集前の変換は必須、というかそもそもPremiereではDNGファイルの再生に対応していません。ストレージはがんがん増やさなければまずいし、毎度の変換には処理能力の速いマシンが欲しくなります。そう考えると10bitのProResやDNxHDの扱いやすさが光ってきます。

個人的にはRaw撮影は本気の映画作りに使い、急ぎの仕事やあまりダイナミックレンジが重要でないプロジェクトなどは、いままで通りの記録方式と言った感じで使い分けるのがベストかなと思います。

D600のモアレが酷い。そしてa99も…

期待の星として登場したニコンのD600。前回かなりちやほやした感じで書きましたが、ネットの動画テストが増えるに連れて首を傾げる人が増えています。

この3年間DSLRで撮影する全ての人間が悩まされてきた問題、モアレ

GH2や5D Mark IIIはその問題をうまく抑え込んでおり、これからは他の高級DSLRもそう言う方向になって行くと思った矢先のD600。見事に期待を裏切ってくれました。

拡大してみると分かりますが水面、後ろの建物、手前の噴水の壁面など、モアレ注意報的な部分全てに、お手本かってほど汚いモアレが。(泣

この動画がまずいだけかと思いきや、Vimeoに出ているほぼ全てのD600映像で確認することができます。なんでこんな事になっちゃったんでしょ…どんなに非圧縮出力がついてようと、こんな画質だったらALL-Iの5D Mark IIIのほうが絶対マシ。

そしてこれもまた前回紹介したソニーのa99、でちゃってますモアレ。あんなにビデオ機能を紹介してたにもかかわらず。

ニコンほど酷くはないんだけど…どう言う理由でモアレ対策を怠り続けるのかすごく知りたい所です。写真カメラだから動画ユーザーなんてのはどうでも良いのだろうか?それともFS100/FS700を買えってこと?

と言う事でこれからもいろんな被写体に怯えながら映像を撮らなあかん日々が続きます。この調子だとキヤノンの6Dも心配になってきたなぁ。GH3に期待!